右肩の違和感のため故障者リスト(DL)入りしていたレンジャーズのダルビッシュ有投手(29)が、カブス戦でメジャーに復帰し、今季初黒星(2勝)を喫した。4回1/3を投げて2安打2失点。最速98マイル(約158キロ)の速球とキレ味のあるスライダーを主体に9三振を奪ったものの、イニングの先頭打者3人を含む4四球と微妙な制球に課題を残した。

 三振を築く力強さを見せた一方で、6月8日以来、約5週間ぶりのマウンドは、依然として手探り状態だった。背後から吹き付ける追い風の影響もあり、スローカーブの制球に苦しみ、球数を費やした。3回裏、3番リゾに逆転適時打を浴び、5回裏には四球と失策でピンチを迎えた時点で90球。予定の球数に達したことで交代を告げられた。

 肩、肘とも不安は感じなくとも、攻撃時にはこれまで練習してきた左打席に初めて入った。「単純に、打つ時に右肘がしなるのがちょっと怖い。変に肘をやるのが怖いから」。スイングすることなく見逃し三振に終わったものの、昨年3月の手術以来、細心のケアは欠かしていない。投球フォームも、肘の高さを微調整しており、まだ理想とする形に達していない。

 「ちょっとずつ上がっていると思いますが、毎回、感覚が違うと思う。今年に関しては、毎回アジャストしていけるようにと思っています」。重要なのは目先の試合だけでなく、プレーオフ争いの佳境、さらに来季以降の野球人生。地区首位を走るレ軍だけでなく、完全復活を目指すダルビッシュにとって、夏場以降の戦いが本当の勝負になる。【四竈衛】