傘下3Aタコマで調整していたマリナーズ青木宣親外野手(34)が、約1カ月ぶりにメジャーへ復帰した。ホワイトソックス戦に「1番左翼」で出場し4打数1安打1四球。故障以外では初のマイナー降格から心機一転、巻き返しへ再スタートを切った。

 青木は前夜、3Aでのナイター終了後に監督室に呼ばれてメジャー復帰を正式に告げられた。合流したデーゲームで即スタメン。「開幕のつもりで臨みました」。最初の2打席は、打球が野手の正面を突く不運もあって凡退した。迎えた5回の3打席目。捕前に高くバウンドした打球で俊足を生かして復帰後初安打をマークした。得点にこそ絡まなかったものの内容のある5打席で集中力を示した。

 降格に悔しさを感じつつもプラス思考は忘れなかった。打撃フォームの修正を繰り返し、バットも新タイプを模索した。「割と楽しくできました。ふとした瞬間に気持ちが落ちるようなこともありましたが、苦しいとは思わなかった。同じ野球なんだなと」。マイナーでは16試合で打率3割6分9厘と復調。目の前の障壁は、ステップアップへの教材だった。

 試合は延長11回にサヨナラ勝ち。「いつか野球人生を振り返った時、こんなこともあったと思えることだと思う。気持ちは前を向いているし、手応えは感じています」。残り67試合。寄り道した時間を、取り返すチャンスは十分にある。【四竈衛】