ヤンキース田中将大投手(27)が21日(日本時間22日)、レイズ戦で苦しみながらもメジャー自己最多の14勝目(4敗)、日本人メジャー通算800勝目を挙げた。野球人生で初めてという1イニング4被弾を経験したが、6回をソロ4本のみ4失点に抑え2試合ぶりの白星。自己最長の7連勝とした。

 スライダーもスプリットも「キレがなかった」と、調子は最悪だった。まさかの事態が起こったのは7-0の3回。先頭にソロを許すと、2死から3番ロンゴリア、4番ミラーにそれぞれスライダーを、5番ディカーソンにはスプリットを運ばれ3連続被弾。「こんだけ打たれたのは初めて。スポットみたいなのに入っていたような感覚がありましたね」と、不思議な感覚があったことを明かした。

 しかし、持ち前の修正力で立て直した。「(気持ちは)切り替わってなかったです。でも投げるボールを修正しにいこうと、シャープじゃなかった分、どうやったら少しでも良くなるかに重きを置いて投げてました」。4回以降は無失点に抑え、防御率リーグ1位もキープ。チームはワイルドカード2位まで2・5ゲーム差と持ち直し「自分がやらなければならないことをやるだけやって、登板に臨むだけです」と気を引き締めていた。(セントピーターズバーグ=水次祥子)

 ▼田中と前田が勝ち、日本人投手の通算勝利は800、801勝目となった。日本人初勝利は村上雅則(ジャイアンツ)が64年9月29日コルツ戦で記録。

 ▼田中が3者連続を含む1イニング4本塁打を許した。日本人投手の3者連続被本塁打は伊良部(レンジャーズ)が99年5月31日ロイヤルズ戦の延長11回に浴びて以来2度目。1試合4被本塁打は日本人最多タイで過去は黒田が2度、伊良部、石井、岩隈が各1度記録しているが、1イニング4本は初めて。