レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)が、地区シリーズ第2戦で日米通じてプロ入り後初の4本塁打を浴び、5回5失点で敗戦投手となった。チームは2連敗して王手をかけられ、もう後がなくなった。

 ダルビッシュは、ぼうぜんと口を開けたまま打球を見送った。2回1死一塁でトロウィツキーに甘い速球を捉えられ左越えに先制2ランを浴びたのが悪夢の始まりだった。5回先頭の8番ピラーには高めボール球を左翼ポール際に運ばれた。この回はさらに1番カレラ、3番エンカーナシオンにも被弾した。4発はいずれも速球で、うち3本はボールが先行してから。1試合4被弾はメジャーのポストシーズンのワーストタイ記録となった。

 低めをストライクと判定してもらえず「ちょっと困ってました」と、苦しい中での投球。高めで勝負したことに悔いはないものの「あの(1イニング)3本はびっくりでしたね」と本音ものぞかせた。ホームでまさかの2連敗。崖っぷちに立たされたバニスター監督は「4本は失投だった」と厳しい表情だった。(アーリントン=水次祥子)

 ▼ダルビッシュがプロ入り初めて1試合4本塁打を浴びた。過去最多は13年6月25日ヤンキース戦、今年8月2日オリオールズ戦の3本。1イニングに3本許したのもプロで初めて。日本人投手のポストシーズンでは松坂(レッドソックス)が08年リーグ優勝決定戦のレイズ戦で1試合3本塁打を打たれているが、4本は最多となった。