レッドソックスからフリーエージェント(FA)となっていた上原浩治投手(41)が、カブスと入団合意に達したことが分かった。1年契約で、年俸は推定450万ドル(約4億9500万円)前後とみられる。上原は近日中に渡米し、フィジカルチェック(身体検査)を経て正式に発表される見込み。今季ワールドシリーズ(WS)を制したカ軍入りで、13年にレ軍で達成して以来の世界一を目指す。

 上原が世界最強軍団の一員として、再び頂点を狙う。今季WSを制し、108年ぶりに世界一に上り詰めたカブスへの移籍が決定的になった。年俸450万ドル程度の1年契約とみられる。レ軍が地区シリーズで敗退した10月には「話があればどこでも。どこもなければやめるだけ」と、オファーがなければ現役を引退する覚悟も見せたが、渡米9年目も活躍の舞台はメジャーに決まった。

 41歳でFAとなっても、通算93セーブを挙げた実績は魅力的だった。3日目を迎えたウインターミーティングでは、マーリンズのマッティングリー監督が「議論の対象になっている」と獲得検討を認めるなど、代理人ピーパー氏が少なくとも6球団と交渉を進めていた。今オフのFA市場には他にも大物クローザーが名を連ねたが、メランソンのジャイアンツ入りに続いてこの日、169キロ左腕のチャプマンがヤンキースと合意。伴うように、上原の動向も定まった。

 自身4年ぶりのワールドチャンピオンへ、申し分ない環境だ。上原は13年のWS、カージナルスとの第6戦で9回を3者凡退締め。最後は三振で、レ軍8度目の世界一の「胴上げ投手」となった。来季は現王者であるカ軍の連覇に尽力することになる。チームはこの日、今季27セーブの守護神デービスをロイヤルズから外野手ソレアとのトレードで獲得。現実的には速球派右腕ロンドンと、セットアッパーの座を競うことになりそうだ。

 今後は近日中に渡米し、身体検査後に正式発表される見通し。カ軍は現在、背番号「19」が空き番となっており、プロ入りの99年から背負い続けている代名詞のナンバーを新天地で与えられる可能性も高そう。同い年の元同僚、巨人高橋監督との写真を載せた5日のブログに「来年からが勝負じゃないかな…。俺も負けないように頑張らなあかんね」とつづった上原。雑草魂が、再び花開く舞台が整った。

 ◆カブスの救援投手陣 今季途中から抑えを務めたメジャー最速左腕チャプマンが、来季はヤンキースへ移籍。代わってロイヤルズから獲得した今季27セーブの右腕、デービスがクローザーになるとみられる。上原は、通算77セーブと抑えもこなせる28歳右腕ロンドンと、セットアッパーを任されることが濃厚。ブルペンではこの他に、いずれもWSに登板したストロップ、エドワーズ、グリム、モンゴメリーらが待機する。

 ◆シカゴ・カブス 1876年に「ホワイトストッキングス」として創設。1902年に「カブス」(小熊)と改める。リーグ優勝17度、ワールドシリーズ優勝3度の名門。今季は103勝58敗でナ・リーグ中地区優勝。「ヤギの呪い」を打ち破り、メジャー最長ブランクを経て108年ぶりの世界一。90年代にはサミー・ソーサが所属。日本人では過去に福留孝介、田口壮、高橋尚成、藤川球児、和田毅らが所属。今季も川崎がプレーした。1914年に完成したリグリーフィールドは現存するナ・リーグ最古の球場。ジョー・マドン監督(62)。