米国野球殿堂は18日(日本時間19日)、今年の殿堂入り選手を発表。現役時代の薬物使用疑惑で物議を醸した歴代1位の762本塁打のバリー・ボンズ氏は選出されなかった。

 薬物使用疑惑が重くのしかかるボンズ氏とクレメンス氏は、投票対象5年目の今回も殿堂入りの基準をクリアできなかったが、着実に票は伸ばしている。

 2人の得票率は、3年目までは30%台半ばあたりを推移していた。それが昨年はともに約45%前後、今年はボンズが53・8%、クレメンスも54・1%と初めて過半数に達した。

 支持を集めている要因として、薬物疑惑のあった選手への抵抗感が薄らいでいることが挙げられる。近年は両氏と同年代にプレーし、薬物使用のうわさがあった選手も選出されている。昨年末に「ステロイド時代」のコミッショナーだったセリグ氏が選ばれたのもプラスに作用したと、CBSスポーツ(電子版)は伝えている。

 殿堂入り投票の対象期間は10年で、2人にはあと5年ある。メジャー公式サイトは「票を伸ばしているのは明るい兆し。2人は後半戦へ向かう」としているが、75%以上を集めるのは容易ではない。来年の得票率に注目が集まる。