ただ、握りには工夫が施されていた。通常では人さし指と中指をそろえるのがほとんどだが“市川先生”は「より曲げるために、普通より指を開いてます」と説明。「いい思い出になった。もし投げるなら名前は正己スライダーでお願いします!」と笑顔を見せた。

 移籍したカブスにとっては2年連続の、そして自身2度目の世界一に挑戦する上原。「けがをしないで、1年間きちんと投げたい」。中学生からでも技を盗む貪欲さが真骨頂。プロ19年目で新境地を見せる。【高橋洋平】