マーリンズのイチロー外野手(43)が、古巣マリナーズ戦に「9番左翼」で出場し3打数無安打だった。いずれも内野ゴロに倒れ、今季は15打数1安打。打率は6分7厘まで下降した。しかし、この日のイチローは穏やかな顔だった。

 シアトルでプレーするのは、ヤンキース時代の14年6月12日以来、約3年ぶり。「Welcome back(お帰り)」などと書かれたボードを持ったファンが詰め掛けた。「忘れられていてもおかしくない年月。あんなふうに迎えてもらえるとうれしいわね」。メジャーのキャリアをスタートさせ、11年余りを過ごしたシアトルのファンからはおなじみの「イチロー・コール」。8回、フェンス際の飛球をジャンプして捕った時はスタンドが沸いた。

 試合前にはセレモニーが行われ、大型ビジョンに初安打や2000、3000安打のシーンが紹介された。マリナーズのオーナー陣、岩隈らからは3000安打記念パネルを贈呈され「一緒にやっていた選手があんなふうにしてくれたら、そりゃうれしいですよ」。旧友やファンの温かい声援に、笑顔で応えていた。(シアトル=四竈衛)