【ボストン(米マサチューセッツ州)27日(日本時間28日)=水次祥子】ヤンキース田中将大投手(28)がメジャー2度目の完封を、わずか97球で成し遂げた。宿敵レッドソックス打線を3安打に封じて今季3勝目(1敗)。大リーグを代表する左腕セールに堂々投げ勝った。100球未満の完封は殿堂入り名投手にちなんで「マダックス」と呼ばれるが、田中は今季初のマダックス達成者となった。

 ストライクゾーンの出し入れでゴロ、飛球を次々と打たせる姿は、92年から4年連続サイ・ヤング賞に輝いたマダックスそのものだった。田中は2回先頭のH・ラミレスに初安打を許して1死二塁とされたが、ボガーツを右飛に、ブラッドリーを得意のスプリッターで一ゴロに仕留めてピンチを脱出。5回無死一塁ではブラッドリーを一ゴロ併殺打に切り、グラブをたたいて喜んだ。

 27個目のアウトも内野ゴロで取り、がっちり抱擁したロマイン捕手からは「球がすべて良く、僕の仕事を楽にしてくれた」とたたえられた。田中も「良いリードをしてくれましたよ。彼のボディーランゲージもそうだし、乗せてくれる」と感謝した。制球力が戻り、先頭を出したのは2回と5回の2度だけ。得点圏に走者を背負ったのもわずか1度で、無四球だった。