レンジャーズのダルビッシュ有投手(30)がフィリーズ戦で7回4安打1失点、9三振2四球の快投。今季4勝目(2敗)を挙げ、日本投手6人目となるメジャー通算50勝を達成した。109試合での到達は、レッドソックス時代の松坂(現ソフトバンク)の112試合を抜いて日本投手最速。レ軍史上でも最も速い記録だ。

 変幻自在だった。3回に先頭打者ラップを全て速球で3球三振に仕留めたかと思えば、5回は4番ジョセフに4球いずれも変化球を投げて見逃し三振に。1失点の7回以外は三塁を踏ませず「配球を(捕手)チリーノスがうまく工夫していたし、自分の球もすごく良かった」とうなずいた。

 9三振を奪う一方、早いカウントでゴロに打ち取る場面も多く、5回まで51球。相手のマキャニン監督も「彼のスライダーは球界一だと思う。あれだけコントロールされると初対戦で打つのは難しい」と脱帽した。交流戦の防御率は2・19。サイ・ヤング賞3度のドジャース・カーショー(防御率2・22)より上だ。

 野茂英雄(123勝)、黒田博樹(79勝)、岩隈久志(63勝)、松坂(56勝)、大家友和(51勝)に続く6人目の50勝。それでも「ちょっと遅いんじゃないかなと自分では思います。2年間投げていない、本当だったらあと60試合は投げてないといけないと思うので」と責任感をのぞかせる。

 チームは不振を脱し、7連勝で勝率5割とした。「1つになって戦っている感じがすごくする。みんなが自分の仕事を大事なところでしている」。レ軍不振時には、今季で契約の切れるダルビッシュをヤンキースへ放出し、若手を獲得する可能性も報じられた。だがプレーオフをあきらめるのは早い。エースは次も普段通りに51勝目を狙う。【水次祥子】