アストロズ青木宣親外野手(35)が、いよいよ大台へカウントダウンに入った。タイガース戦の9回2死からブレグマンに本塁打が出て、青木に第4打席が巡ってきた。そこまで無安打も、第2打席の4回に同点犠飛を放っており気持ちは落ち着いていた。左腕J・ウィルソンの153キロ速球をミートした打球は、三塁手のグラブをはじき、左前へ転がった。3試合ぶりのスタメンで、14打席ぶりの快打を放った。

 「モヤモヤしていたものが取れたというか、犠牲フライで今日はいけると思った」。大記録を前に、調子が下降し、2戦連続で先発から外れた。ヒンチ監督は「メンタルブレーク(精神的な休養)」と説明したが、青木自身は不振の原因を究明済みだった。「体がうまく動かなかった」。携帯映像でスイング確認を繰り返すだけでなく、早出でランニングやストレッチなど自主練習を消化。2日間の「休暇」を有効に利用し、体のメンテナンスに専念した。

 記録への意識がないはずはない。ただ、力みは消えた。「もちろん安打は打ちたい。ただ、チームに必要とされる選手になれるように、1本でも多く打っていきたいです」。快音だけでなく、青木の言葉にも力強さが戻ってきた。(ヒューストン=四竈衛)