ヤンキースとタイガースの今季最後の対戦で大乱闘が起き、ヤンキース田中将大投手(28)も乱闘の中心部に飛び込んだ。

 伏線は、この3連戦で毎試合本塁打を放っているヤンキースの3番サンチェスが、この日も4回に今季27号ソロ本塁打を放ったことだった。5回に先発フルマーがサンチェスに死球をぶつけ、6回裏のタイガースの攻撃中、2死無走者で4番カブレラの打席で3番手右腕カンリーが背中をかすめる球を投げた。

 カンリーが退場となり、それに激しく抗議したヤンキースのジラルディ監督も退場処分。カンリーに代わり左腕チャプマンがマウンドに上がりウオームアップをする最中、カブレラとロマイン捕手が言い合いとなり、カブレラがパンチを放つと両チームのベンチとブルペンから選手が飛び出し、殴り合い、もみ合いの大乱闘となり、試合が10分以上中断した。地面に倒れているカブレラに、サンチェスが馬乗りになってボディーブローを何発もくらわせるなど、壮絶な格闘場面もあった。

 田中は一時、激しい乱闘が行われている中心部まで突っ込み、乱闘がやや沈静化するとフィールドで仲間と一緒にことの成り行きを見守った。

 カブレラとロマインが退場となり、7回にはヤンキースの救援右腕ベタンセスが6番マキャンの頭にぶつけて退場。すでに退場したジラルディ監督に代わって采配をしていたトムソン・ベンチコーチも退場となった。さらに8回にはタイガースの救援右腕ウィルソンが7番フレージャーの左脇腹にぶつけ、この日3度目の両チームベンチがガラ空きとなった。退場者は両チーム合わせ8人だった。

 ジラルディ監督は試合後、怒りが収まらない様子で「サンチェスがこの3日間3本塁打を打ち、故意にぶつけられた。審判は警告を出さなかったし、避けられた混乱だった。審判団の対応の仕方が非常にまずかった」と話した。

 田中は、乱闘の影響が懸念されたが「大丈夫ですよ、僕は」と話した。