マーリンズ田沢純一投手(31)が、日本人メジャーとして初の5年連続50試合登板を達成した。ブルワーズ戦で6-3と3点リードした6回表2死一塁の場面で救援。不運な内野安打と四球で満塁とされたが、後続を右飛に仕留め、4試合連続無失点で切り抜けた。

 09年、日本のプロ球界を経ず、レッドソックス入りして9年目。日本人初の「快挙」は、毎試合、コツコツと地道な準備を進めてきた結果だった。救援の役割を担い始めた当時は、先発への思いを断ち切れない時期もあった。その一方で、チームメートでもある斎藤隆、上原ら先輩クローザーらに教えを乞い、救援投手としての調整法などを学んだ。「隆さんから教わることは多かった。上原さんもそうですし、今はイチローさんもいます。なかなかやりたくてもできない人と、僕はできている。すごい財産だと思います」。

 マ軍へ移籍した今季序盤は、不安定な投球が続き、メンタル面でも苦しんだ。5月中旬には、脇腹痛で故障者リスト(DL)入り。それでも、復帰後の7月には9戦連続無失点を記録するなど、着実に調子を取り戻してきた。

 これで通算352試合登板。現在のペースでいけば、長谷川滋利(エンゼルスなど)が持つ日本人最多の517試合登板も視界に入る。「いろんな人に支えられながらやってきた。ここまでできるとは思わず、こっち(米国)に来た。頑張ってきて良かったと思います。これで終わったわけではないし、また1試合ずつ頑張りたいと思います」。目立つことの少ない役割を、黙々とこなして到達した快挙。常に謙虚さを失わない田沢にふさわしい勲章となった。【四竈衛】