【オーランド(米フロリダ州)13日(日本時間14日)=四竈衛】今オフ、ポスティング制度を利用してメジャーに挑戦する日本ハム大谷翔平投手(23)の争奪戦が、本格的にスタートした。ゼネラルマネジャー(GM)会議が開幕し、各球団のGMが一斉に獲得へのアピールを始めた。交渉解禁までに「二刀流」を実現するための秘策を練りつつ、大谷を口説き落とすことになる。

 言葉は異なっても、各GMが秘める大谷獲得への強い意志は共通していた。全30球団が参戦するともいわれる大谷争奪戦。すでにドジャース、ヤンキースなどが強い興味を示してきたが、全GMが一堂に会する同地の会場でも話題の中心は「OHTANI」だった。

 ド軍などと同様に花巻東高時代から徹底マークを続けてきたダイヤモンドバックスのヘーゼンGMは、「特定の選手のことは言えない」としながらも、「二刀流」の可能性について言及した。「明らかにナ・リーグの方がベターだと思う」。中4日の先発とDHとなるア・リーグよりも、先発時に打席に立ち、登板日以外は代打で出場できるナ・リーグの利点を強調した。さらに「各球団はいろいろなことを考えるだろう」と競争の激化を予想した。

 また、同リーグのパドレス・プレラーGMは「いかなる状況に対しても準備したい」と明言。日本ハムと業務提携を結んでいるほか、野茂英雄氏、斎藤隆氏らのスタッフがいることを挙げ、「日本とのコネクションもある。我々はいろいろなサポートができる」と、セールスポイントを強烈にアピールした。

 ア・リーグ側も本気度は十分だった。ダルビッシュ獲得の実績を持つレンジャーズのダニエルズGMは、一般論としながらも「二刀流」を「特殊な才能」と表現。「我々ができるベストのことをしたい」と真剣な表情を崩さなかった。また、ブルージェイズのアトキンスGMからは「ポスティングされた時の準備はできている」と、事実上の「出馬宣言」も飛び出した。

 このほか、昨春のアリゾナキャンプ時にホイヤーGMらが直接視察したカブス、今季中にキャッシュマンGMが来日したヤンキース、視察団が大挙して訪れたドジャース、レイズ、マリナーズなども、水面下で着々と秘策を検討中。大谷自身が環境を重要視しているだけに、今後は各球団のアイデア勝負が注目を集めそうだ。