【ニューヨーク19日(日本時間20日)=四竈衛】松井氏が大谷を口説く? ヤンキースのGM特別アドバイザーを務める松井秀喜氏(43)が、ヤ軍が日本ハム大谷翔平投手(23)の獲得に乗り出した場合、交渉に出馬する可能性が出てきた。当地で約30人の少年少女が集まった野球教室に参加後、ポスティングシステムによるメジャー挑戦を表明した大谷について「一野球ファンとして」と断りながらも「どのようにプレーしていくのか興味深い」「試合を見るのが楽しみ」などと真剣な表情で語った。

 12年の現役引退後、15年にヤ軍のGM特別アドバイザーに就任し、マイナー選手を指導してきた。その松井氏の影響力と存在感を、ヤ軍フロント陣が見逃すはずもない。松井、田中獲得の際にも尽力したアフターマンGM補佐を中心に球団では大谷獲得策を作成中。関係者によると、状況次第では松井氏の交渉への出馬も検討しているという。

 松井氏は、14年の田中入団時は「一OB」にすぎず、個人的な助言の範囲内だったが、今回はヤ軍に属する立場。「僕よりも(通算652セーブのOB)マリアノ(リベラ)をかり出した方がいい。僕じゃ、ちょっとインパクトが薄い」と笑ったが、ヤ軍から依頼されれば、断る理由はない。現時点で、今オフ中に一時帰国の予定はなく、交渉への出馬は可能とみられる。金銭面などの条件以上に環境や熱意が重要視される大谷争奪戦で、松井氏が「口説き役」になればヤ軍の優位は、さらに盤石となるに違いない。