ポスティングシステムでメジャー移籍を目指す日本ハム大谷翔平投手(23)に、米国の広告業界も熱視線を送っている。大谷が移籍した場合、来季メジャーでプレーしても年俸はリーグ規定の最低年俸である54万5000ドル(約6270万円)とほぼ同等であることが確実だが、スポンサー契約はその40倍の2000万ドル(約23億円)が見込まれていると、USAトゥデー紙の敏腕記者が28日、伝えた。

 米広告業界の試算によると、大谷の価値はすでにメジャートップだ。USAトゥデーの名物記者ボブ・ナイチンゲール氏によると「複数の米広告代理店が、スポンサーなどの契約が年2000万ドルを超えると見積もっている。スポンサー収入では、メジャー最高額の選手になる」という。

 それほどの契約を得られるのは、世界でもトップクラスの一部のアスリートに限られる。米経済誌フォーブスが今年6月に発表した「世界の高額収入スポーツ選手17年トップ100」によると、テニスのロジャー・フェデラー(スイス)のスポンサー収入が5800万ドル(約66億7000万円)でトップ。サッカー界のスターであるクリスティアノ・ロナルド(レアル・マドリード)は3500万ドル(約40億3000万円)、テニスの錦織圭が3000万ドル(約34億5000万円)。メジャー最高額はバスター・ポージー捕手(30=ジャイアンツ)で400万ドル(約4億6000万円)、日本選手では田中将大投手(29=ヤンキース)の100万ドル(約1億1500万円)が最高額となる。広告代理店の見積もり通りなら、大谷のスポンサー収入は、他選手と文字通りケタ違いとなる。

 大谷の代理人バレロ氏の事務所CAAが、スポンサー契約に強いことも有利になる。ただし米有名野球記者ケン・ローゼンタール氏が28日付のザ・アスレチックに書いた記事によると、大リーグ機構のハレム法務担当責任者は「大谷の気を引くため、球団がスポンサーとの契約を持ち掛けることはできない」とくぎを刺している。