エンゼルスは2014年を最後にプレーオフ進出がなく、新加入の大谷への期待は大きい。知将ソーシア監督は「投打で試合を左右する力がある」と「二刀流」で起用する方針を示した。

 チームの先発陣は絶対的な柱が不在。捕手のマルドナドは早くも球団に「(日本ハムでの)15、16年の試合の映像を全部送ってくれ」と伝えたという。1年目からエースになる可能性を秘める右腕の受け入れ準備に余念がない。

 野手としては現状で守備に就かせず、指名打者(DH)を想定する。トラウトら強打者が右打ちに偏る打線では左の大谷は貴重で、エプラー・ゼネラルマネジャー(GM)が「一塁を守ることに前向きでいてくれている」と言う通算614本塁打を誇る右のDHプホルスとの併用を示唆した。

 一方で大切に育む姿勢も見せる。日本ハム時代のルーティンなどを参考に、対戦相手も日程も違うメジャーへの適応を促す構えで、交渉で育成プランを示した同GMが「彼を家族に迎え入れることができ、もっと綿密な計画を立てられる」と言えば、監督は「まだ23歳。肉体的にも精神的にも、技術面でも成長の余地はある」と語った。