銃乱射事件が起きた米フロリダ州パークランドの高校の卒業生でカブスのアンソニー・リゾ内野手(28)が19日、現地での支援活動からキャンプ地があるアリゾナ州メサに戻り、記者会見を行った。

 17人が死亡し、少なくとも14人が負傷する悲劇的な事件に、「元の生活に戻ろうと懸命に努力している地元の人たちを誇りに思う」と遺族や関係者を気遣い、現地での体験を報告。14日の事件直後、トレーニングを行っていたアリゾナ州から現地に駆け付け、追悼式でスピーチをし遺族を訪問したことを明かし「今までで最もつらかった。何と言っていいか分からなかった」と沈痛な面持ちだった。「これだけ銃撃事件が起きて何か変化が必要だ」とも発言したが、銃規制を求める政治的なものではないという。

 犠牲者の1人、同校でアメリカンフットボールのコーチを務めていたアーロン・フェイスさんは、自らの体を盾にして子供たちを守り亡くなった。数週間前に同コーチと会ったというリゾは「友人はみんなフェイス・コーチとの思い出を持っている。体をなげうって子供たちを守ったことは、彼の人となりを示している。彼には娘と息子がいたはず。本当のヒーローだよ」と悼んだ。

 リゾはオールスターに3度選出されているメジャーを代表する強打者。地元パークランドには今も両親が住んでおり、昨年は野球場の照明設置のために15万ドル(約1650万円)を母校に寄付した。