メジャー歴代19位の通算3141安打をマークし野球殿堂入りしている故トニー・グウィン氏の死を巡る訴訟が、19年9月に始まることが決まった。

 グウィン氏は2014年6月、口腔(こうくう)がんのため54歳で死去。遺族は、死因が31年間嗜好(しこう)し続けたかみたばこによるものだとし、16年にサンディエゴの高等裁判所でたばこ会社を相手取り訴えを起こしていた。訴訟は長く進展しないままだったが、ようやく19年9月20日に行われることが決定。遺族の弁護士は「たばこ産業は、かみたばこのリスクを明らかにする責任を負うということを、この裁判で示したい」と声明を発表した。

 安打製造機として知られたグウィン氏はパドレス一筋に20年間、外野手としてプレーし、首位打者に8度輝き、リーグ最多安打を7度マークした。

 メジャーではこれまで、かみたばこ愛好家の選手やコーチが多かったが、その健康リスクがクローズアップされるようになり、愛用者の割合は減少。16年に締結された現在の労使協定では、新しくメジャー入りした選手のかみたばこ使用を禁止しており、メジャー球団の本拠地がある都市の約半数は、球場内でのたばこ使用が法律によって禁じられている。