【テンピ(米アリゾナ州)22日(日本時間23日)=本間翼、斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)が明日24日(同25日午前5時10分開始)のブルワーズ戦(テンピ)で、まずは投手として実戦デビューすることが決まった。メジャー球やマウンドへの対応など、多くの課題を想定しつつ、初戦から内容でアピールすることを誓った。

 30球の投球練習を終えた大谷は、ソーシア監督にデビュー戦を告げられた。夢に向かっての第1歩。明日24日、相手はナ・リーグ中地区で昨季2位のブルワーズだ。2イニング程度を予定。まずは投手として、メジャーのマウンドに上がる。

 大谷 ここからが本当の勝負だと思っている。実戦の中でしっかりと結果を出しながら、勝ち取るところは勝ち取っていきたいなと思います。

 キャンプインしてから、ブルペン入り3度と「ライブBP(日本でいうフリー打撃)」での登板が1度。1日最多も30球しか投げておらず、日本ハム時代とは調整過程が異なる。メジャー球やマウンドへの対応も課題。「初めての環境で初めての先発なので、恐らくうまくいかないことがたくさんあると思う」。自身も難しいマウンドになることは覚悟しているが、それでも「その中で全力で抑えにいきたいです」と、先発ローテ入りを争う立場として、結果にもこだわる。

 ブルワーズは昨季31本塁打のショー、テムズ、さらに30本塁打のサンタナと強打者ぞろい。オフにはロイヤルズからFAになったケーン、マーリンズからイエリチを補強し、野手陣は厚みが増している。「実戦に入っていって、どの程度自分がやってきたものを発揮できるか確認した後に、自信だったり、そういうものが出てくるんじゃないかと思います」。手ごわいライバルを抑えることで、次のステップに進める。

 開幕まで6試合程度の登板を予定しているソーシア監督は「打者としてはシーズン中に対応できるが、投手としての調整は今が大切」と、二刀流はまず「投」を軸に進める方針。首脳陣を納得、安心させるためにも、最初の1歩が大事になる。

 ◆ブ軍の強力打線 ブルワーズは昨季、テムズ、ショー、サンタナの30発トリオが打線の核を担った。テムズは韓国から復帰1年目でブレークし、ショーとサンタナは自己最多を大幅更新。さらにこのオフは積極補強を進め、昨季ロイヤルズで打率3割のケーン、16年にマーリンズでシルバースラッガー賞を受賞したイエリチを獲得。11年にMVP、12年に本塁打王に輝いた生え抜きのブラウンがチームの柱。ただし、オープン戦序盤のため主力級がそろう可能性は低い。