エンゼルス大谷翔平投手(23)が“メジャーデビュー”した。オープン戦のブルワーズ戦で先発マウンドに上がり、1回1/3を2安打2失点(自責1)。勝負球のフォークで2三振を奪い、米国でも有効な球種になると確認した一方、2イニング目の先頭打者に1発を被弾。先発ローテの一角として生き抜くための、収穫と課題が浮き彫りになった。

 メジャーの舞台に響いた、「SHOHEI OHTANI」のコール。スタンドの大歓声に迎えられ、大谷の挑戦が始まった。「内容はともかくとして、すごく楽しかったです」。1回1/3を2安打2失点(自責1)。味方の失策で先制点を失い、初被弾もあった。それでも、確かな第1歩を踏み出した。

 メジャーでの道筋が見えた。1回無死二塁。右打者の28歳オーフを直球で追い込むと、最後は138キロのフォークで空振り三振に仕留めた。2死からフィリップスもフォークで見逃し三振。「比較的いいポジションに落ちてくれていたので、そこはすごくよかったんじゃないかと思っています」。縦の変化球は、ヤンキース田中や上原、佐々木主浩氏もメジャーで武器にした。日本同様に切り札が使えることは収穫になった。

 一方、課題は2回の先頭打者・ブロクストンに浴びた1発に凝縮されている。初球、141キロの直球がすっぽ抜けて大きく外れると、3球目の144キロ直球を左翼席に運ばれた。イニング間にファウルゾーンでキャッチボールできないのが、日本との大きな違い。1回の味方の攻撃が10分以上続き、大谷はベンチで腰をかけて待った。しかし、初回に最速156キロを記録した直球が、球速、制球ともにガクンと落ちた。2回は150キロ台のボールは1球もない。「体をあっためながら、どうやって2イニング目の先頭を抑えていくかっていうのはすごく勉強になった」。メジャー球、マウンドの傾斜への対応に加え、新たな課題となった。

 ソーシア監督は「今日は投げて感触を確かめるだけ。才能は持っているから」と信頼を寄せる。次は26日(日本時間27日)のパドレス戦(ピオリア)以降に、打者でのデビューが控える。「今日も楽しかったですし、次回以降も楽しんで、なおかつ結果を求めながら、頑張りたいなと思ってます」。メジャーのファンが、二刀流の魅力を知るのは、これからだ。【本間翼、斎藤庸裕】