【サプライズ(米アリゾナ州)18日(日本時間19日)=本間翼、斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)が、10日後に迫った開幕へ向けて、投打で最終調整に入る。

 この日は、マイナーの練習試合に出場する当初の予定を変更し、レンジャーズ戦にフル出場した。4打数無安打で打率は8分3厘まで下降したが、昨季13勝を挙げた左腕ペレスらと貴重な対戦経験を積んだ。投手としても、次回登板は渡米後最長となる中7日空けて、24日(同25日)になることが決定した。

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 紙一重だった。4回1死三塁の好機。92マイル(約148キロ)のツーシームにバットを折られた大谷だが、打球はライナーで投手を襲った(投直)。「いい感じではとらえてましたけど、多少差し込まれてるので、ああいう形でグラブが間に合うタイミングになるんだと思う」。納得の一打ではないが、2年連続2桁勝利を挙げている左腕ペレスの武器を、はじき返したことは収穫だった。

 当初はマイナーの練習試合に出場する予定だった。だがソーシア監督は「メジャー(の投手)を相手に立つことが、翔平にとって最善だということ」。試合前の打撃練習では、主軸のトラウト、アップトン、カルフーンが3者連続で柵越えし、「ショーウィー(大谷の愛称)、カモン!」とあおられた中で、右中間に特大の1発を放って喝采を浴びた。打撃の能力は、誰もが認めるところ。この日も4打数無安打で、オープン戦打率は8分3厘まで下がったが、いまは慣れが必要な時期だと、首脳陣も考えている。

 投手としても、次回は24日(日本時間25日)のダイヤモンドバックス戦(テンピ)か、マイナーの練習試合に登板することが決定。渡米後初めて中7日と間隔を空け、MLB球への対応など、練習時間を設けることになった。投打ともに結果が出ず、米メディア内にはマイナー落ちを危ぶむ声もあるが、大谷は着実に前進を続けている。

 19日(同20日)は、マリナーズ戦(テンピ)で初のナイターも経験する。「よくなるように1日1日やってますし、自信を持ちながら、投手に対して向かっていければいいんじゃないかなと思います」。壮大なる挑戦は、まだ始まったばかりだ。