エンゼルス大谷翔平投手(23)が6回1死の第3打席、マイナー左腕から中前へオープン戦16打席ぶりの安打を放った。左投手から対外試合で安打を放つのは渡米後初。4打数1安打で、打率を1割7厘とした。

 体から離れていく左腕のスライダーに、巧みなバットコントロールで対応した。苦しむ大谷が16打席ぶりに「H」を記録した。相手はまだメジャー経験のない24歳の左腕。それでも2-2と追い込まれながら、内角の92マイル(約148キロ)直球をファウルで粘り、続く81マイル(約130キロ)のスライダーにバットを合わせる技ありの一打は、復調のきっかけになる1本になった。試合後に予定されていた会見は受けず帰路に就いたが、ソーシア監督は「よくなっている。これを続けていけばいい」と評価した。

 内角球を打ったその他の3打席はすべて右方向へのゴロと課題も残るが、全米の注目度は高いまま。22日発売の米人気雑誌「スポーツ・イラストレイテッド」の開幕特集号ではトラウトとともに表紙を飾ることも判明した。掲載は西海岸版で、東海岸版ではヤンキースのジャッジとスタントンという2大スターが共演。注目度はメジャートップクラスであり、同誌記者は「(表紙候補は)プレーオフにいける可能性のある球団だけ。大谷が加入し、エンゼルスはその可能性がある」と、実力も高く評価されている。

 24日には5度目の登板も控える。挑戦の幕開けは、刻々と近づいている。(米アリゾナ州テンピ=本間翼、斎藤庸裕)