エンゼルス大谷翔平投手(23)が24日(日本時間25日)、アストロズ戦に先発した。今季3勝目こそお預けになったものの、メジャーの先発投手で今季最速となる時速101マイル(約163キロ)をマーク。かつて大魔神の異名を持ち、メジャーでも戦った佐々木主浩氏が大谷の投球を見つめた。

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 前回は手のマメの影響で降板したから今回はどうかなと思って見ていたが、今回までの1週間、普段と同じ調整ができなかった影響は出ていたと思う。微妙なコントロールがなかったし、スプリットもあまり決まっていなかった。

 投げるとまたマメがつぶれちゃうわけだから、登板間の投げ込みも通常のようにはできない。日本だったら1回、2軍に落としてマメの回復を待ってという感じにもできるが、メジャーは枠の関係もあるし、簡単に下に落とせるわけじゃないから。

 ただ満足に調整できなかったことを考えると、良く投げたと思う。真っすぐも101マイル(約163キロ)の質の良い直球を投げることができていた。今日はスプリットが決まらなかったが、それならとスライダーで抑える。そういう部分が大谷は秀でていると思う。

 反省すべきは先頭打者への四球。5回には先頭の8番へ四球を与えた後、9番に初球を2ランされた。これは絶対にやってはいけない。降板した6回も先頭のグリエルに四球を出したことが失点につながった。強いチームはほんのささいなミスも見逃してくれない。 5回の本塁打は外の96マイル(約154キロ)直球で、決して悪くないボールだった。日本だったら中越えアーチにされるような球ではなかったが、9番でもあそこまで飛ばすパワーがある。ちょっとしたことが命取りになるのがメジャーだというのを肝に銘じてほしい。とはいえボール自体は良い球がいっていたわけだから、次回先発に向けてうまく微調整すれば今季3勝目は大いに期待できるだろう。

(日刊スポーツ評論家)