エンゼルス大谷翔平投手(24)が、19日(日本時間20日)に右肘の2度目の再検査を受け、投球練習を再開できると診断された。球団が発表した。

 ロサンゼルス市内の病院での検査で、チームドクターから右肘の内側側副靱帯(じんたい)は回復していると認められた。リハビリ予定等については、今後あらためて公表されるが、順調にリハビリが進めば、シーズン終盤の9月上旬にも「二刀流大谷」が復活する可能性が出てきた。

 14年に、大谷と同じく右肘に自身から採取した血小板で組織の再生や修復を図る「PRP注射」を受けたヤンキース田中は、キャッチボール再開から約2週間後にブルペン投球を行い、実戦形式の登板を経て、約1カ月半の調整でメジャー復帰した。大谷も同様の手順を踏むとすれば、復帰まで1カ月半程度はかかるとみられる。

 大谷は6月8日(同9日)に右肘に3段階のうち中程度の「グレード2」の損傷が判明し、同6日(同7日)の先発登板を最後に戦列を離れた。3週間ノースローを経ての検査ではじん帯再建手術の回避が決定。フリー打撃を開始した6月28日(同29日)の再検査後も、ノースローの制限が続いた。7月3日(同4日)に打者で復帰して以降もボールは投げてはいない。

 エンゼルスは開幕投手を務めた先発1番手のリチャーズが右肘の手術で長期離脱するなど、投手陣にケガが相次ぎ、苦しい状況が続いている。2チームが獲得できるワイルドカード争いでも、2位のマリナーズとは9ゲーム差。7月20日(同21日)からは後半戦がスタート。エンゼルスの逆転プレーオフ進出は、大谷の「二刀流復活」が鍵となりそうだ。(アナハイム=斎藤庸裕)