メジャー通算696本塁打を放ち現在は野球解説者として活躍するアレックス・ロドリゲス氏(43=元ヤンキース)が、カブスのダルビッシュ有投手(31)に関して発言した内容が、大きな波紋を広げている。

 ダルビッシュの所属するカブスとカージナルスは29日(日本時間30日)、A・ロッドが解説を務めるESPNの「サンデーナイト・ベースボール」で中継された。試合終盤にベンチにいるダルビッシュがテレビ画面に映し出されると、解説席のA・ロッドが故障者リスト(DL)入りしているダルビッシュの状況が良くないと指摘。右上腕三頭筋の腱炎(けんえん)で5月26日にDL入りした後、マイナーでリハビリ登板を開始し復帰に近づいたと思われたが、肘の炎症などが見つかり復帰が遅れていることに触れ「球団は公には何も言いたくないだろうが、印象が良くない。球団にしてみれば、またいつ悪化したと言い出さないかと不安だろう。彼が、チーム内での信頼を一瞬で失う可能性もある」などと、ダルビッシュに対して苦言とも取れる発言をした。

 これを聞いたカブスのマドン監督は「私はA・ロッドの発言を全面的に否定する。(チーム内の)みんなが、どのような状況か把握している。故障があることも分かっている。我々はダルビッシュの復帰までのプロセスをサポートする」と擁護し「このような伝えられ方をして残念だ。あれは真実ではない」と強く否定。シカゴの地元スポーツラジオ局も「故障している選手を批判するのは、正しいこととは思えない」と、ダルビッシュではなくA・ロッドを非難した。SNSではダルビッシュをかばうファンの声が広がり、A・ロッドの発言に批判が集中した。