夜更けに打球音が鳴り響いた。エンゼルス大谷翔平投手(24)が、18日(日本時間19日)のレンジャーズ戦で7-6の7回1死一、二塁の場面から代打で登場。貴重な追加点となる3ランを中堅席へ放り込んだ。4球目、ボール気味の高め直球を打った直後に反り返るほどのフルスイングで捉えた。「芯付近だった。来た球に対して、しっかり強いスイングができればと思っていた」と豪快な13号を振り返った。

 打席に入る頃、時計の針は23時50分を過ぎていた。19時5分に開始予定だった試合は、悪天候で2時間26分も遅れた。大谷が打った時間は午前0時の8分前だった。日付が変わる目前に本塁打を打った経験については「分からないです」と答えたが、まさに目の覚める一撃。点の取り合いにケリをつけた。4打数無安打だった前日から、代打の1打席で結果を残し「たまたま(相手の投手と)かみ合って僕の方にいい結果が来てくれた」と謙遜した。ソーシア監督は「大きな1本だった。翔平にとって、最もベストな状況での起用だった」と深夜の1発を喜んだ。

 投げる方でもギアが上がってきた。試合前にはブルペンで20球、軽めに調整した。右肘の状態も問題なく「予定通りかなとは思う」。早ければ週明けの20日(同21日)にも、故障後では初の実戦形式の投球練習に入る。投手での順調な調整が、打撃面に与える好影響について「復帰へのメドが立っているというところでは、すごい、気持ち的には前向きかなと思います」。二刀流復活へエンジンがかかってきた。(ダラス=斎藤庸裕)