ポスティングでメジャー移籍を目指す菊池雄星投手(27)の争奪戦が、一気にヒートアップしてきた。猛アタックをかけるマリナーズは、オプトアウト(契約見直し条項)付きの6年総額6000万ドル(約66億円)を用意する。

ジャイアンツも負けじと菊池獲得に興味を示した。ファーハン・ザイディ編成本部長(42)が、菊池に対して「スカウトを含めて彼のことは長い間、注目して見てきた」と冷静に話しつつも、不気味な自信をのぞかせた。ジャイアンツは花巻東時代から菊池を調査してきただけに、マリナーズに劣らぬ熱意がある。

先発陣の立て直しが優先事項で、補強ポイントにも合致する。通算125勝、ワールドシリーズ制覇の経験もある右腕クエトはトミー・ジョン手術により来年9月以降に復帰する見込み。左腕バムガーナーにはトレード話もうわさされている。17年はナ・リーグ西地区5位、18年は4位と低迷しており、同本部長は「先発投手を1人、2人、加えないといけない」と投手力強化で巻き返しを図るつもりだ。

菊池の代理人ボラス氏とは「まだ会ってはいないが、今後、話し合う予定はある」とも明かした。マリナーズと同様、アドバンテージも多く、本拠地は米国西海岸のサンフランシスコ。日本からの直行便もあり、日本人になじみの深い都市でもある。11月上旬までドジャースでGMを務めていた同本部長は「ケンタ(前田健太)を獲得したときの経験もあるし、西海岸の魅力は確かにある」と力を込めた。