大リーグ機構が、今年2月に業務提携契約を結んだ米独立アトランティックリーグで「ロボット審判」導入を開始し、さらに後半戦からは過激な新ルールを実施することが明らかになった。10日付のワシントン・ポスト電子版によると、新ルールは打者走者の「一塁盗塁」を可能にするという。

一盗は、従来の振り逃げルールとほぼ同じで捕手が後逸した場合に一塁に走ることができるが、振り逃げが2ストライクから行うのに対し、一盗ルールはどのカウントでも走ることができる。

米メディアには、この新ルールが野球の根幹を揺るがす可能性もあると指摘するものもある。米ヤフー・スポーツは「俊足選手が圧倒的有利になる。投手は暴投やパスボールを恐れて落ちる変化球を投げづらくなり、速球に頼ることになるかもしれない」としている。

大リーグ機構は、将来的にMLBで導入する可能性を踏まえ、同リーグでさまざまな実験を行っている。ロボット審判もその1つで、10日の同リーグオールスター戦で初実施。球審がポケットのiPhoneとつながったイヤホンを装着し、軍事技術を応用した弾道測定機「トラックマン」で測定した結果を受信して判定を行うというもので、従来通り捕手の背後でコールを行った。

MLBのマンフレッド・コミッショナーは「コンピューター判定をいつからメジャーに導入するかは未定。マイナーなどでさらに試してからになるだろう」と話している。