MLBが12日(日本時間13日)、名作映画「フィールド・オブ・ドリームス」の舞台となったアイオワ州ダイアーズビルで初の公式戦を開催し、ホワイトソックスとヤンキースが1919年頃の雰囲気たっぷりの中、当時の復刻ユニホームで戦った。試合は両チーム合わせ8本塁打が飛び出す空中戦となり、最後は逆転サヨナラ弾が飛び出す劇的な試合だった。

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まさに映画のようなオープニングと幕切れだった。伝説の選手シューレス・ジョー・ジャクソンが登場する名作映画「フィールド・オブ・ドリームス」のロケ地、トウモロコシ畑の真ん中にある球場で、長い歴史を持つ2球団が対戦した。オープニングには主演俳優ケビン・コスナーが登場し、収容人員8000人の客席に詰めかけた満員のファンに「ここは天国か」の名セリフで語りかけた。

両チームの選手は、映画さながらにトウモロコシ畑の中から現れてグラウンドに入場し、米空軍の式典飛行が行われ試合開始。選手は20世紀初頭のデザインを復刻させた特別ユニホームでプレーした。

試合はホワイトソックスのアブレイユが初回、MLB史上初めてアイオワ州で記録されるトウモロコシ畑着弾の本塁打で1点を先制。9回表にはヤンキースのジャッジがこの日2本目の2ラン本塁打で1点差に詰め寄り、さらにスタントンが逆転2ランを放った。しかし、試合は終わらない。その裏、ホワイトソックスのアンダーソンが逆転サヨナラ2ラン。劇的な幕切れにスタントンは「こんな結末は望んでいなかった」と悔しがり、アンダーソンは「ファンはショーを見に来ている。それを披露できた」と満足げだった。

昨季開催予定だったこの試合はコロナ禍のため延期となり、計画が発表されてから2年越しの開催実現。映画の舞台で試合をするという「テーマ開催」が成功したことで、マンフレッド・コミッショナーは「来季もここに戻る」と再び開催することを宣言した。

◆「フィールド・オブ・ドリームス」 1989年公開映画(米国)ケビン・コスナー主演。不思議な声を聞いた主人公がトウモロコシ畑を切り開いて球場を造ると、ホワイトソックスで八百長に関与したとして永久追放されたジョー・ジャクソンら伝説の選手がよみがえる。