エンゼルス大谷翔平投手(27)が18日(日本時間19日)、史上19人目の満票選出でア・リーグMVPを初受賞した。全米野球記者協会の投票者30人全員が1位票(14点)を大谷に投じ、420ポイントの満点選出となった。

大谷は発表が行われた専門局MLBネットワークの番組に白いTシャツにジャケット姿でリモート出演。MVP受賞に「すごくうれしい。支えてくれた皆さんに感謝しています。(MVPは)とりたいなとはもちろん思っていましたけど、日本で最初やるってなった時よりは、アメリカに来たときの方が受け入れられる雰囲気があったので、それは感謝していますし、アメリカ全体の、そういうファンだったりとか、チームだったりとか、そこは本当に感謝しています」と、笑顔を交えながら話した。

大谷は1位満票の30票、420ポイントを集めて選出。2位はブルージェイズのウラジーミル・ゲレロ内野手(22)で2位票29、3位票1の269ポイント、3位は同じくブルージェイズのマーカス・セミエン内野手(31)で3位票24の232ポイント、4位はヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(29)で171ポイント、5位はアストロズのカルロス・コレア内野手(27)で163ポイントだった。

ア・リーグの満票選出は2014年の同僚トラウト外野手以来、史上11人目。投手では1936年のカール・ハッベル(ジャイアンツ)、1968年のデニー・マクレーン(タイガース)に続く3人目の快挙となった。日本選手では、2001年にマリナーズのイチロー外野手が新人王とダブル受賞でMVPに輝いて以来、20年ぶり2人目。

大谷は今季、打者として155試合に出場し、打率2割5分7厘、リーグ3位の46本塁打、同13位タイの100打点、同5位の26盗塁をマーク。投手では23試合に先発して9勝2敗、防御率3・18でローテーションを引っ張り、投打二刀流の大活躍で旋風を巻き起こした。

今季は選手間投票「プレーヤーズ・チョイス賞」の年間最優秀選手、コミッショナー特別表彰に輝き、米有名専門誌3誌「ベースボール・アメリカ」「ベースボール・ダイジェスト」「スポーティング・ニューズ」の各年間最優秀賞も受賞、シルバースラッガー賞のDH部門にも選出と、受賞ラッシュとなっている。

MVPは全米野球記者協会の投票によって選出される、長い歴史と権威ある賞。各リーグ30人の投票者が1位から10位までの10選手に投票し、最多ポイントを獲得した選手が受賞する。

◆大谷翔平(おおたに・しょうへい)1994年(平6)7月5日生まれ、岩手・水沢市(現奥州市)出身。姉体小2年の時、水沢リトルで野球を始める。水沢南中では一関シニアでプレー。花巻東(岩手)では1年春から4番に座り、1年秋からエースに。甲子園には2年夏、3年春に出場。3年夏は岩手大会で160キロを計測。高校通算56本塁打。12年ドラフト1位で日本ハム入団。2年目の14年にプロ野球初の同一シーズン2桁勝利と2桁本塁打を達成。16年はパ・リーグMVP。17年オフにポスティングシステムでエンゼルス入り。18年にア・リーグ新人王。193センチ、95キロ。右投げ左打ち。今季年俸は300万ドル(約3億3000万円)。

◆日本のMVP満票は? 両リーグで6人だけ。セ・リーグでは巨人の長嶋(61、71年)と王(73、77年)が2度ずつで、他に54年杉下(中日)だけ。パ・リーグは59年杉浦(南海)65年野村(南海)13年田中(楽天)の3人。田中は24勝0敗で233票の1位票を獲得