オリオールズ上原浩治投手(34)は25日、ブルペンでの投球で肩が温まると、隣接する球場のマウンドに上がった。打者相手に直球ばかり25球。キャンプ中なら当たり前の光景でも、故障明けの上原にとって、打者を立たせて投げるのは実に8カ月ぶりのこと。気分よく投げられたか、と問われると、汗だくの顔で大きくうなずいた。

 ひじを痛めた昨年6月以降はリハビリに明け暮れ、ブルペンで投げたのも2月に入ってからだった。「打者がいないと練習にならない」。実戦的なメニューを重視する上原には、打撃投手は待ちに待った練習。「きちんと投げられるかということと、腕の振り」という課題には「もうちょっとかな」と不満も残したが、マウンドを降りた表情は明るかった。

 上原の伸びのある投球を打撃ケージのそばで見た首脳陣は本人以上に素直に喜びを口にした。トレンブリー監督は「しっかり低めにきていたな。いい球だった」と復調ぶりに満足そう。クレイニッツ投手コーチも「ここまでは文句のつけようがない」と話した。次回の打撃投手は3日後。変化球を交えた投球を予定している。