マリナーズのウェッジ監督は何度も「イチローも人間だから」と繰り返した。2人で話し合い、先発を外すことを伝えたのは今季2度目の3試合連続無安打に終わった9日の試合後だ。指揮官は8日のホワイトソックス戦では無安打ながらスイングに復調の兆しを感じていたそうだが、翌日の打撃内容などから心身のリフレッシュが必要と判断した。

 大リーグ11年目の今季の打率は2割5分2厘。メジャー通算が3割2分8厘なので8分近く下回っている。「彼がこの10年間で積み重ねてきたこととその安定感を考えれば、毎日試合に出たいと考えるのは当然の権利」とチームの看板選手に敬意を示す一方で「最後はチームとイチロー自身のためを考えて」と休みを与えた。

 先発を外れるのは1試合のみ。11日のタイガース戦では復帰の予定という。11年連続のシーズン200安打も懸かる。「イチローもいろいろと感じるところがあるだろうが、それは自然なこと。彼は心身ともに強い。これまで何度も厳しい時期を経験してきたし、いったん好調になれば誰よりもすごい」と巻き返しに期待していた。