野茂3年ぶりメジャー勝利投手
<オープン戦:ロイヤルズ15-6ジャイアンツ>◇10日(日本時間11日)◇アリゾナ州サプライズ
【サプライズ(米アリゾナ州)10日(日本時間11日)=四竈衛】ロイヤルズ野茂英雄投手(39)がジャイアンツ戦に先発し、05年以来3年ぶりにメジャーで勝利投手となった。3回4安打2失点。ヒルマン監督は「投げるたび進歩している」と評価し、次回も先発テストをする。ロイヤルズは先発陣5人のうち2人が決まっていない。野茂は3試合で防御率2・25と安定しており「開幕メジャー」の可能性も現実味を帯びてきた。
飾らない言葉で、野茂は淡々と試合を振り返った。オープン戦3試合目で、初の自責点となる3回4安打2失点。残った数字だけを見れば、決して満足できるはずもない。だが必要以上に悔やむことなく、前向きだった。
「調子は悪くなかった。初回は高めに浮いたので安打が続きましたが、(前回より)今回はいい感じでした。(安打数の)4本が3本になっても、同じコメントだったと思います」。決して強がりではなく、幾度となく「調子自体はいい」とのフレーズを繰り返した。
「いい」と言える理由はあった。今季最多の50球を投げ、直球は最速89マイル(約143キロ)をマークした。「(球数が)少しずつ増えているの、いい感じです」。05年を最後にメジャーのマウンドから遠ざかり、06年には右ヒジを手術。投げられなかった期間の長さを思えば、重圧より、今はマウンドに立つ喜びの方が大きい。「十分に楽しんでやってますし、居心地良くやらせてもらってます。結果は気にしないでやっています」。
立ち上がりの2失点は、制球ミス。続く2、3回に修正して無失点に封じた。セットポジションで50球、1死球はあったが課題の四球はなかった。ヒルマン監督は「球威がアップしているし、投げるたびに進歩している」と評価。マックルア投手コーチも「カットボールが良かった。うまく緩急を使っていたし、よく投げたね」と、プラス材料を強調した。
当初は厳しいと見られていた野茂の「開幕メジャー」への可能性は、少しずつ広がり始めた。先発5人枠はメッシュ、バニスター、グリンキーの3人までが確定だが、残り2枠を争うトムコ、デラロサの2人がともに防御率10点以上と打ち込まれている。現時点では左腕ベイル(元広島)とともに2枠入りを争う。
野茂自身に気負いは見えない。「見極めるのは首脳陣や球団の方なので何とも言えません。ただ、1番は体の調子がいいこと。好きにやらせてもらってますし、今の調子を維持していくことだけですね」。会見で時折、笑顔を浮かべた野茂は、最後にペコリとお辞儀をして締めくくった。
[2008年3月12日9時44分 紙面から]
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