<アスレチックス5-6レッドソックス>◇25日◇東京ドーム

 メジャー史上最速白星はレッドソックス岡島秀樹投手(32)だった。25日、アスレチックスとのMLB開幕戦(東京ドーム)で昨季ワールドチャンピオンのレッドソックスが延長10回、6-5で辛勝。4-4の9回裏から登板して1四球を与えたものの、1回無安打無失点に抑え、延長10回の勝ち越しを演出した。5回2失点で降板した松坂から主役の座を奪取。メジャー通算4勝目は、12年間在籍した巨人の本拠地での忘れがたい1勝となった。

 お立ち台から見えるスタンドの光景が、懐かしく、心に染みた。ヒーローインタビューに答える岡島の言葉に、かつての本拠地・東京ドームのファンは拍手と声援を送った。「うれしかったですね」。最高の場面で、最高の結果を出したご褒美が、チームはもちろんメジャー一番乗りの白星だった。

 今季初登板は、緊迫した状況で巡ってきた。4-4の同点に追い付いた直後の9回裏。総立ちで出迎える4万人を超えるファンの声も、目ばゆいほどのフラッシュも、左腕の目と耳には届いていた。

 岡島「(フラッシュには)気付いてました。ありがたいことですね。緊張はありました。でも、すごい声援だったので、しっかり投げようと思いました」。

 まずは、先頭のスズキをチェンジアップで空振り三振に仕留める。続く代打M・スウィーニーにはストレートの四球を与えたが、後続のバックには内角速球で詰まらせて中飛。最後はエリスを投ゴロに打ち取り、無失点で役目を終えた。

 1年目の昨季は、レ軍の絶対的なセットアッパーとなり、オールスターにも選出された。迎えた2年目。昨年以上に「勝負の1年」になることは承知していた。その一方で、オフの間は、紅白歌合戦をはじめ、30本余りのテレビ・ラジオ番組などに出演した。それも、すべては自らにプレッシャーをかけるためだった。シーズンで成績を残さない限り、批判の声を浴びることにもなりかねない。イベントなどの当日も、常に早朝からトレーニングに出かけた。完全休日は、月に2日だけ。体調管理を徹底した。

 首脳陣も、あらためて信頼感を口にした。ファレル投手コーチは「素晴らしくコンスタントで、どの球も効果的だった。昨年の経験もあったし、投球術もスマートで本当に素晴らしい才能の持ち主だね」と、絶賛の言葉を並べた。

 前年覇者レ軍が負け試合の流れを引き戻し、絶好の形でスタートを切った。「明日も勝てる試合ならしっかりと投げたいです」。大歓声に笑顔で応えるヒーローに、2年目のジンクスなど無縁に違いない。【四竃衛】