<レイズ3-5ヤンキース>◇15日(日本時間16日)◇トロピカーナフィールド

 【セントピーターズバーグ(米フロリダ州)15日(日本時間16日)=千葉修宏】ヤンキース松井秀喜外野手(33)が得意のレイズ戦で活躍した。「5番指名打者」で出場し、2回にジャクソンの高め95マイル(約153キロ)直球をセンター右へ今季3号先制ソロ。風邪で体調不良だったが、5打数2安打2打点でチーム内で3冠に立った。レ軍相手に連勝したヤ軍は開幕カードのブルージェイズ3連戦以来となる、シリーズ勝ち越しも決めた。

 レイズが相手だと、松井がより一層パワーアップする。2回、カウント1-2から、相手先発ジャクソンの95マイル(約153キロ)真ん中高め直球を中堅右へ運んだ。バックスクリーンと観客席の間に設置された、レイズのチーム名の由来となっているエイが泳ぐ水槽のすぐ手前に飛び込む先制弾だった。

 松井は今季3号に「真ん中高めの甘いボールでしたけど、完ぺきに打てました。どういう時でも結果が欲しいですけど、昨日ああいう形(5打数無安打)で終わり、そういう意味では1打席目で本塁打が出て良かった」と話した。1点を追う4回表無死一、二塁でも一ゴロで打点を挙げ、同点とした。5打数2安打2打点。打率3割1分4厘、3本塁打、8打点で、本塁打、打点はロドリゲスとタイながら堂々のチーム3冠王だ。

 実は8日からのカンザスシティー遠征で雨中の3連戦を戦い、風邪をひいていた。練習中はのどあめを口に含んでいたほど。暖かいフロリダ遠征で、ようやく体調も戻ってきた。レ軍が相手だと良く打つ。前日14日の試合は5打数無安打だったが、ジラルディ監督は「少しだけ球をとらえ切れていなかっただけで、スイング自体は良かった」と分析した。

 今季の3本塁打はすべてレ軍戦。通算18本塁打も対戦相手別では30球団中最多だ。トロピカーナフィールドでの7本も、本拠地ヤンキースタジアムに次ぐ多さだ。レ軍投手陣が手薄なのは間違いないが、それでも相性の良さが目立つ。「甘い球をしっかり打ち損じなく打てたのは、状態としては決して悪くない」と、この日の1発は好調の証しだった。

 松井はレ軍投手陣には脅威。先発ジャクソンは5日のヤ軍戦では6回1失点と好投したが、松井への1球から崩れた。「ホームベースのど真ん中に投げてしまった。自分の投球ができれば、ビッグヒットは生まれないはずなのに」と悔やんだ。

 16日からは地元ニューヨークでレッドソックス2連戦。その後は再び10試合の遠征に出る。ジラルディ監督は「本拠地に勝るものはないから」と9試合ぶりのホームを歓迎する。現在ヤ軍は20連戦中。今月の遠征試合数18は、大リーグ最多記録になる。「(地元に)2日間しかいられない。でも、ひと息つける。試合ではひと息つけないですけど」。松井の集中力は増すばかりだ。