<カージナルス3-9カブス>◇3日(日本時間4日)◇ブッシュスタジアム

 【セントルイス(米ミズーリ州)3日(日本時間4日)=佐藤直子通信員】打順が「4番」でも関係ない。カブス福留孝介外野手(31)が、メジャー移籍後、初の「4番右翼」としてカージナルス戦に先発出場。A・ラミレス内野手(29)が前日受けた死球の影響で欠場。突然の大役にも5打数3安打2打点と大暴れして、チームの勝利に貢献した。昨年6月20日以来の「大役」も黙々とこなした。打率は3割4分8厘でナ・リーグ8位と好調キープだ。

 いつもはクールな福留が、珍しく驚きの声を上げた。「エ~ッ!?」。試合前、打順変更を聞くと、ビックリ仰天。通常の4番はラミレスだが、前日に死球を受けた左手首の腫れが引かずに欠場したためだった。これにより5番以下の打順が自動的に繰り上がり「4番福留」が誕生した。

 メジャーでは「3番最強説」が一般的だが、やはり4番には重みを感じているのだろう。前日は連続出塁が12で止まったが、気持ちの切り替えはできていた。そして、そのうっぷんを晴らすかのようにバットがうなった。4回1死一、三塁、先発ローシュが投じた2球目は内角ギリギリのスライダー。続く3球目も、内角スライダーが同じ軌道を描いて飛び込んできた。「(1球目で)ストライクを取られたことが分かっていた」(福留)と、冷静に対応。待ってました! とばかりに振り抜くと、打球は右翼フェンスに直撃、先制適時二塁打に。これで勢いづいたカブスは一挙6点をたたきだし、試合の流れを決めた。

 7回には左中間二塁打を放って追加点を演出。第1打席の二塁内野安打と合わせて、5打数3安打2打点。“暫定4番”とはいえ、その役割は十分に果たした。

 試合後、「打順は関係ないし、打席で自分のやることは変わらない」とひょうひょうと語った。中日時代は主に3番。自身も「慣れているので入りやすい」と言うほど、3番へのこだわりもある。しかし4番には重みを感じている。中日時代、落合監督が就任した04年、4番を指名された。そこで初めて、自分の置かれている立場の重さを実感した。その年の8月はアテネ五輪に出場。銅メダルを獲得し、帰国翌日から合流し、自らの意思で強行スタメン出場した。ギリシャからの飛行機では時差ボケ対策のために寝なかった。優勝争いをしており、すぐに試合に出るためだった。こだわりはないが、特別なもの。背番号1は、そういうものととらえている。

 抜てきしたピネラ監督は「なかなかやるじゃないか」とご満悦の様子だった。打率はリーグ8位とベスト10入りを果たしている。それでも自分の成績よりも勝利がうれしい。中地区では首位カージナルスを0・5差で追走する。「(連敗の)流れを切った。これを明日つなげられるように」。頼れる男が安堵(あんど)の笑顔を浮かべた。