捕手として史上最多の通算396本塁打を記録したマイク・ピアザ(39)が20日、現役引退を発表した。野茂英雄投手(39)がドジャースでメジャーデビューしたときの女房役として知られ、昨季のアスレチックスまで5球団でプレー。1988年ドラフト62巡目という下位指名からメジャーのスター選手に駆け上がった強打者が、ついにバットを置いた。

 「家族と話し合い、人生の新しい章を始めることにした」。ピアザは代理人を通じて発表した声明文で、輝かしい経歴に終止符を打った。昨季終了後にFAとなりながらオファーがなく、事実上引退状態だった。16年のメジャー人生を振り返り「驚くべき旅だった。なんの後悔もなく去ることができる」と語った。

 入団時はまったく期待されていなかった。ドジャースのドラフト指名は全体1390番目。父親と親交のあったラソーダ監督が、一塁手から手薄の捕手に転向することを条件に入団させた。その恩師は「私には彼の才能が分かっていた。球界最高のサクセス・ストーリーだよ」とたたえた。

 日本のファンには「野茂の女房役」としての印象が強い。ドジャースの正捕手として95~97年の3年間で打率3割4分8厘、108本塁打と打ちまくった。捕球がうまいとは言えず、肩も強くなかった。だが体を張ってワンバウンドのフォークボールを止める姿勢が人気につながった。日本のCMにも出演した。

 野球殿堂入りは確実とみられている。資格を得るのは2012年。実現すれば、ドラフト62巡目の選手としては初の栄誉となる。