<ヤンキース13-2マリナーズ>◇23日(日本時間24日)◇ヤンキースタジアム

 【ニューヨーク23日(日本時間24日)=千葉修宏、木崎英夫通信員】マリナーズ・イチロー外野手(34)がヤンキース戦で今季2度目の2打席連続三振を喫し、審判の判定に激高した。その審判は97年にセ・リーグで審判経験があるディミュロ審判。イチローをかばうように猛抗議したマクラーレン監督が退場宣告を受け、イチローは「審判が退場になるべき」と怒りは収まらなかった。

 イチローが怒りを抑えきれなかった。2回の第2打席、カウント2-3からの8球目は腰を後ろに引く内角へのベルト高さのカットボールだった。これをストライクと判定されたイチローは猛抗議。普段は冷静な男が激高し、ロドリゲス一塁コーチが割って入るほどだった。

 「あそこを取るっていうことは、何かが邪魔して見えなかったとかっていう以外には考えられないんで。それぐらい悲惨なボールだったので」と話した。内側に大きく外れた142キロは明らかな悪球だった。イチローを止めるようにベンチを飛び出し抗議で食い下がったマクラーレン監督が、今季3度目の退場宣告を受けた。

 1打席目の内角低めの見逃し三振のコールにも不満はあったが、その際は注文をつけなかった。「僕は審判にものすごく優しいですから」。こう話したイチローもさすがに2打席目のコールには我慢できなかった。「忘れてたことを思い出した日ですね。大豊さんがキレて乱闘になった。大豊さんが怒る気持ちはよく分かる。今日の場合は審判が退場すべきですね」とまくし立てた。

 実はこの試合の球審はマイク・ディミュロ審判。97年に日米の審判員の交流の一環で来日し、セ・リーグで審判を務めたが、ストライクの判定をめぐって当時中日の大豊に胸を突かれ帰国を決意した経緯がある。イチローは連続三振の後、二ゴロ、中飛と倒れ連続試合安打は6でストップ。チームは先発ビダードが5回途中9失点降板と大乱調。マ軍は今季最多の13失点で4連敗の総失点が43に達した。屈辱的な大敗が止まらないマ軍には早くも秋風が吹き始めている。