大リーグの守備の優れた選手に贈られるア・リーグのゴールドグラブ賞が6日(日本時間7日)発表され、マリナーズのイチロー外野手(35)が大リーグ1年目の01年から8年連続で選出された。イチローは今季、右翼と中堅で160試合守り、ア・リーグ5位タイの11補殺を記録した。しかし守備率9割8分7厘は8年間で最低。01年からの7年間で計15失策が、今季は自己最多の5失策。それでも相手の監督、コーチたちは今年も票を投じた。

 イチローは受賞の喜びを「めっさ、うれしいです」の一言に込めた。「めっさ」は日本での活動の拠点となる神戸で使われる、強調する言い回し。普段からよく口にする表現だ。チームは低迷したが、今年も200安打、100得点、オールスター出場、30盗塁と並ぶ“ノルマ”を果たした。短い言葉に今の気持ちが表れていた。

 同賞の最多受賞記録はマダックス投手の18回だが、ア・リーグ記録はグリフィー(元マリナーズ)とケイライン(元タイガース)が持つ10回。これはあと2年で手が届く。その先にはクレメンテ(元パイレーツ)とメイズ(元ジャイアンツ)が保持する外野手最多記録の12回がある。イチローが「伝説」の域に達する日も徐々に近づいてきた。