「岩村祭り」に市民1万人が殺到した。レイズ岩村明憲内野手(29)が13日、故郷の愛媛・宇和島市でア・リーグ優勝を祝う記念パレードに招かれ、アーケード商店街を練り歩いた。

 鼓笛隊が先導し、母校・明倫小のモヒカン少年たちをお供に従える姿はまさしく「お殿様」。岩村は宇和島藩10万石で栄えた城下町のメーンストリートを約800メートル、もみくちゃにされながら行進した。大名行列のような盛り上がりに、「商店街を久しぶりに上から下まで歩いて、宇和島の皆さんの思いを感じることができた。涙がでるくらいうれしい」と感激した。

 市制88年の歴史を誇る同市でも、個人を祝うパレードの開催は初。石橋寛久市長(58)は「私も昨年、試合を見ましたが、まさかあのチームが優勝するとは。そのチームを引っ張った岩村君は宇和島の誇り」とたたえた。市ではレ軍の本拠地セントピーターズバーグとの姉妹都市案まで持ち上がったほど。日本一を対象にする「宇和島大賞」に今年も特別賞を設ける形で、2年連続の市民「MVP」を岩村に贈った。

 パレードの締めは岩村のマイクあいさつ。「自分はまだ乗れる立場じゃない」と固辞したが、高さ3~4メートルもあるシンボル牛鬼の背中に、強引に祭り上げられた。「牛鬼は魔よけ。宇和島人としてあり得ない」と恐縮しながら、「自分にはやり残した仕事がある。次は世界一になったとき、もっと盛大なパレードをお願いします」と歓声に胸を熱くした。【中島正好】