イチローは張本氏を超えるペースと広角
<マリナーズ11-3エンゼルス>◇15日(日本時間16日)◇セーフコフィールド
マリナーズ・イチロー外野手(35)が張本勲氏(68=野球解説者)のプロ野球通算最多安打記録に並んだ。日米通算2232試合目での到達は、張本が3085本目を打った時点(81年8月20日西武戦)の通算2746試合より514試合も少ない。同時点の通算打数を比べても、イチローの9084打数は張本の9661打数より577打数少なかった。
1試合あたりの安打ペースはイチローが約1・38本、張本が約1・12本。イチローがこのペースで打ち続けると、張本が3085本目を打った試合数(2746試合目)で3795本打つ計算になる。
年齢ではイチローが35歳5カ月、張本は41歳2カ月。イチローの方が5歳以上若く到達した。2人の26歳までの通算安打数は1125本で全く同じ。イチローが満28歳のシーズンから年間162試合制の大リーグへ移籍し、試合数の多さもあって張本に迫るペースは上昇。満36歳のシーズン早々に迫いついた。
2人の安打内訳を比べると「1発を秘める張本」「内野安打で稼ぐイチロー」となる。二塁打と三塁打に大きな差は見られないが、張本は504本塁打(プロ野球歴代7位)。中軸打者らしく、スタンドに運べる強打の安打製造機だった。これに対し、約2割を内野安打で記録しているのがイチローだ。イチローの全安打に占める内野安打の割合は
内野安打 %
日本 208本 16・3
米国 402本 22・2
合計 610本 19・8
打球の勢いが失われる天然芝球場でのプレーが増えた渡米後、比率が上がっている。張本も通算319盗塁だから決して足が遅いわけではないが、内野安打は全体の12・8%。イチローほど稼いでいない。
フェアグラウンドの90度以内に幅広く打ち分ける張本は「スプレー打法」「扇打法」と称された。左にも打てるため、守備陣はシフトを敷けない。当時を代表する広角打法だったが、意外にも安打の半分近く(46・6%)は右方向へ飛んでいる。イチローは走力がある分、安打の領域は内野の広範囲にも及ぶ。自在に打ち分ける技術は、張本以上の「超スプレー打法」といえそうだ。
[2009年4月17日8時53分 紙面から]
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