<メッツ10-1パイレーツ>◇9日(日本時間10日)◇シティフィールド

 【ニューヨーク】日本人最年長メジャーのメッツ高橋建投手(40)が、7-1とリードした7回から2番手として救援し、2回を1安打無失点に封じた。前日8日の1球登板に続く初の連投でも完全救援し、メ軍は6連勝でナ・リーグ東地区首位。2日のデビュー登板以来3試合連続で無失点の好投で、メジャーに定着することが確実になってきた。

 メジャー初の連投でも、40歳左腕の高橋建にとっては、投げられる喜びが何よりだった。出番は7-1とリードした7回表。先頭バスケスに中前打を許したものの、1死後、代打モンロー、モーガンを連続三振に仕留めた。続く8回も3人でピシャリ。「どんな場面でも冷静に、のまれずに投げたいです」。常々話していた言葉通り、地元ファンの前で期待通りの役割をこなした。

 前日7日の「1球救援」に続き、この日は2イニングの救援。それでも、常に「初回からいけるように準備はします」と、自らの立場は理解していた。40歳になっても、新人恒例のアニメキャラクター入りの「ブルペンバッグ」を持ち運びするのが役目だ。「(抑えの)K・ロッドから言われたんです。それもうれしかったですね」。年齢、国籍、経験を問わず、ほかのルーキーと同じように接してくる仲間の気持ちが、メジャーを実感させた。

 マウンドでは結果を残しているものの、依然として私生活は「暫定」ばかり。開幕時に所属したメ軍傘下3Aの本拠地バファローに借りたアパートに荷物は置いたままで、現在は球場近くのホテル住まいを続けている。「いつまでメジャーにいられるか分からないんで…」。慣れない異国の地で、自宅、車もない不便な生活ながら、緊張する場面での登板に備えてきた。

 それでも、不平不満を漏らすどころか、常に前向きな姿勢だ。「テンションを上げすぎず、冷静に試合展開だけを見ながらやっていきたいです」。初のメジャー生活とはいえ、新人離れした投球術は、40歳左腕の経験値によるものに違いない。