<ヤンキース15-0メッツ>◇14日(日本時間15日)◇ヤンキースタジアム

 メッツ高橋建投手(40)はゴジラ斬(ぎ)りで意地を見せた。0-14と大量リードされた7回1死満塁から4番手で登板。この場面をカノの犠飛による1点で抑えると、8回には先頭打者の松井と相対した。「ヤンキースタジアムは意識しなかったけど、松井選手の打席は力が入った」。日本で78打数22安打、10本塁打を浴びた相手。試合の大勢は決まっていても勝負は全力だった。

 カーブと速球で追い込み、勝負は2-2からの6球目。外角に89マイル(143キロ)の速球を投げ込んで空振り三振を奪った。「東京ドームでも広島市民球場でも本塁打を打たれたイメージしか残っていなかったので、自分の中ではかなり大きな財産になった」。試合前には自分から年下の松井にあいさつに出向いた。この日は1回2/3を投げて無安打無失点。謙虚に自分の仕事を続ける「建さん」の挑戦は続く。