<マリナーズ2-1レンジャーズ>◇3日(日本時間4日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)=木崎英夫通信員】マリナーズのイチロー外野手(35)が、4年連続6度目の年間最多安打を確定させた。1打席目から左前打、左前打、中前打と放ち今季通算224本とし、2位のジーター(ヤンキース)と14本差。打率は3割5分2厘に上げたが、1位マウアー(ツインズ)が3割6分6厘のため逆転の可能性はなくなった。

 イチローが1打席目から3打席連続安打の固め打ちだ。1回の第1打席、23歳の新人右腕ハンターから外角145キロの速球を強いゴロで三遊間を破った。3回の2打席目は持論とする「手を先に出さない」を見事に映し出す、内角ギリギリの143キロスライダーを引きつけて左方向へと運んだ。5回の第3打席は、ハンターが3球続けたカーブを中前に運んだ。1打席目からの3連続安打は6月25日以来。この日、レイズ戦に欠場したヤ軍ジーターに14本差で4年連続のリーグ最多安打をほぼ手中にした。

 また、この日で06年に並ぶ224安打に到達。メジャー移籍後、4番目の安打数に並んだ。昨年の213安打を上回った9月24日のブルージェイズ戦では「今後の目安になる年」と話していた。通算16試合を欠場した中で前年を超えたことを、独特の言い回しで表現した。自己4番目の安打数に並んだこの日も、その時と同じ気持ちかと問われると「そうだね」と少ない言葉で表現した。

 胃潰瘍(かいよう)での故障者リスト入りでスタートした今季。左ふくらはぎ痛を乗り越えて前人未到の9年連続200安打を達成するなど、起伏に富んだシーズンも残り1試合。「特別な思い?

 それは明日聞いたらいいんじゃないですか。明日で終わるんだから」。その日を燃焼する意識の積み重ねがここまでを支え続ける。4日(日本時間5日)の1試合も「146分の1」であることに変わりはない。