エンゼルス松井秀喜外野手(35)が12月31日、故郷石川で警察の出動する騒ぎに巻き込まれた。日航機で帰省したが、先に到着するはずの全日空機が悪天候で着陸できなかったため、空港で待っていた一般の人々が「松井が乗っているからか」と騒ぎだし、警察が出動した。松井が笑顔でロビーに現れて歓迎ムードに一変し、ファンにも感謝して一件落着した。最後まで慌ただしく激動の1年が終わり、新たな1年が幕を開ける。

 思わぬとばっちりだった。松井は例年通り、大みそかに帰省。だが到着直前、小松空港に怒号が飛び交った。事の発端は、午後7時15分着の全日空機が吹雪のために着陸できず、上空旋回して待機。その間に松井を乗せた日航機が定刻の午後7時35分に着陸してしまったことだった。この時、全日空機に乗っている家族を到着ロビーで待っていた一般の人々から「松井が乗ってるから、先に降ろすんか」「わしらだって家族を待っとるんじゃ」などと怒号が飛び始めた。

 人々の怒りが、取材で待っていた報道陣にまで飛び火。売り言葉に買い言葉で一触即発の状態となったため、警察官3人が出動して事態の収拾に当たった。空港関係者によると、全日空機は着陸を試みたが、それができずに再上昇。再び着陸体勢を整えるには20~30分は時間がかかるため、日航機が先に着陸したという。

 事情も分からずに悪者にされかけてしまった松井が、ロビーに姿を現すと、空港に詰めかけた約100人のファンの歓声があふれ、雰囲気は一転した。花束を受け取った松井は飛行機の着陸順が変更されたことを知らされると「オレの体重が重いから降りやすかったんだろ」とニヤリ。地元ファンに向け「良いとき、悪いとき、どんな時も応援してくださった。来年もその応援に応えられるように頑張ります」とコメント。新天地での活躍と2年連続世界一を誓った。【千葉修宏】