<エンゼルス2-3インディアンス>◇6日(日本時間7日)◇エンゼルスタジアム

 【アナハイム(米カリフォルニア州)=大塚仁】エンゼルス松井秀喜外野手(36)がジャパンの後輩に球界の未来を託した。日米親善高校野球のためロサンゼルス滞在中の日本選抜チームが、試合観戦のためエンゼルスタジアムを訪問。試合前に興南・島袋洋奨投手(3年)らと対面した松井は「皆さんの可能性は本当に無限大。素晴らしい野球選手になってほしい」とエールを送った。

 松井も高校2、3年時にジャパンの一員として米国遠征に参加した。その経験はメジャー挑戦、そしてエンゼルス移籍の原点をなしている。そこから1歩ずつ成長を重ねてきた松井は、関係者を通じ島袋ら興南ナインに「連覇おめでとう」という直筆メッセージをプレゼント。松井が甲子園で5打席連続敬遠された92年8月16日、約2カ月後に生まれる島袋はまだこの世にいない。大先輩と対面した島袋は「何も言えないです」と感激の面持ちだった。

 インディアンス戦に5番DHで出場した松井は、8回2死でバットを折られながらも右前打を放ったが代走を送られ交代し、3打数1安打1四球。だがチームは敗れ、再び今季ワーストタイの借金6となった。試合後マイナー4選手の昇格が決まり、出場機会が減る可能性もある。だが地元ファンの松井残留を願うボードも掲げられた。高校生たちのあこがれを集める大リーガーの1人として、希望を捨てることも、気を抜くことも決してない。