米大リーグ機構は8日(日本時間9日未明)、ポスティングシステム(入札制度)での大リーグ移籍を目指している楽天の岩隈久志投手(29)の独占交渉権をアスレチックスが獲得した、と発表した。

 関係者によると入札額は1600万ドル(約12億8000万円)以上とみられる。マリナーズ、レンジャーズ、ドジャース、ツインズなど複数の球団が提示した金額を上回った。日本時間9日にも大リーグ機構から日本野球機構(NPB)に通達され、さらにNPBから楽天に報告される見通しだ。

 アスレチックスはワールドシリーズ制覇9度の名門だが、緊縮財政で今季開幕時の年俸総額はメジャー30球団中28位の約5170万ドル(約41億7000万円)。そんな球団が“入札合戦”を制したのは「意外」と受け止められるかもしれない。岩隈側との交渉は、交渉開始日から30日間以内と規定されている。交渉は環境や条件面などで難航も予想されるが、契約成立となれば、リーグ屈指の先発5本柱が完成。マ軍イチローと日本人対決も実現する。

 日本時間8日には岩隈の代理人を務める団野村氏が、短文投稿サイト「ツイッター」で、「岩隈さん

 Oakland

 Athletics!!!!」と、独占交渉権を獲得したのはア軍であることを示唆していた。関係者の話を総合すると各球団の入札額はいずれも1000万ドル(約8億円)超だったもようだ。

 ア軍は、イチローのマ軍や松井が今季プレーしたエンゼルスと同じア・リーグ西地区。サンフランシスコ近郊のオークランドが本拠地。終盤に岩村が在籍した今季は81勝81敗の地区2位だった。