【オーランド(米フロリダ州)16日(日本時間17日)=四竈衛、佐藤直子通信員】エンゼルスからフリーエージェント(FA)となった松井秀喜外野手(36)の獲得を巡り、ホワイトソックス、タイガース、アスレチックスが三つどもえで争奪戦展開の様相を呈してきた。GM会議に出席した各チームのGMが、獲得に積極的な発言を行った。また、ロッテからFAとなった小林宏之投手(32)に、レイズが極めて高い関心を示した。

 松井獲得レースが本格的に動き始めた。昨年も獲得に動き、今オフも関心があると伝えられていたホワイトソックスのウィリアムズGMは「獲得候補のリストに入っている」と、争奪戦参戦を高らかに宣言した。今季、打線の中軸を担ったコネルコ内野手とピアジンスキー捕手がFAとなり、双方とも交渉難航の様相を呈している。ホ軍が今オフに掲げる課題は「DH」と「左打者」の補強。松井が加入すれば、2つの課題が同時にクリアとなる。同GMは「リーグ屈指の勝負強さを持つ打者」と松井を高く評価し、松井の代理人アーン・テレム氏と接触を持ったことも明かした。

 同じくDH獲得を進めているタイガースのドンブロウスキーGMは「マツイは各球団の中軸として勝利に導いた好打者」と分析。「主砲カブレラの援護ができ、打点が挙げられる中軸がほしい」とし、獲得に前向きだ。岩隈との独占交渉権を獲得したアスレチックスのビーンGMは「打線のアップグレードが急務。特にDHを積極補強したい」と今オフの方針を説明。「マツイは日米で素晴らしいキャリアを持つ。よく打たれた印象が強い」と話した。

 移籍先の有力候補の1つと思われたツインズは、今季DHを務めた左の強打者ジム・トーミ(40)との交渉優先を明言し、争奪戦からひとまず撤退。エンゼルスは今のところ、再契約に積極的ではない。今季年俸600万ドル(約4億8000万円)だった松井争奪戦は、資金力のあるホ軍、タ軍、ア軍の3球団を中心に展開していくことになりそうだ。