【コンプトン(米カリフォルニア州)28日(日本時間29日)=大塚仁】西武からFA宣言し、メジャー移籍を目指す土肥義弘投手(34)がMLB関連施設「アーバンユースアカデミー」でトライアウトを受験した。延べ9人の打者に対し35球を投げて3奪三振。最速86マイル(約138キロ)の速球とキレのあるスライダー、シュート、チェンジアップの変化球を投げ分けて、メジャー8球団のスカウトにアピールした。

 26日に渡米したばかりで前夜は2時間しか眠れなかったという。それでも「だいぶ不安がありましたけど、投げている途中に楽しくなってきた。その緊張がいい風に働いたと思う。現時点では及第点のピッチングかなと思います」と力を出し切った表情を見せた。

 視察したのはレッドソックス、ブルワーズ、ジャイアンツ、オリオールズ、インディアンス、カブス、パイレーツ、ダイヤモンドバックスの8球団。中でもインディアンスのセイギシ・スカウトから「変化球が印象的。左打者には有効かもしれないね」と高く評価された。12月1日にもう1度ブルペン投球形式のトライアウトに臨み、最後のアピールを行う。「メジャーでもマイナーでもこだわらない」という土肥は、人事を尽くして天命を待つ。